「シナノゴールド」は長野県産のりんご種であるが、県開発団体の協力のもと、南チロル(トレンティーノ・アルトアディジェ特別自治州ボルツァーノ県)農業生産者団体(VOGとVI.P)での試験栽培が始まり、2016年に商標に関するライセンス契約を締結、2019年にはいよいよ欧州から90カ国に販売が可能になったそうだ。
縁があり途中経過の取材とライセンス契約について少々関わったものの、みじかな市場(スーパーマーケット)で見かけることなく今日まで数年経過。ようやく先日初めて普通のスーパーで見つけたというわけで、感激!である。長野県原産「シナノゴールド」はイタリア北部でも居心地を見つけて元気に育っていたのね!
味はサクサク、フレッシュ、ジューシーで、他のどの種とも異なる。イタリアのりんご保存技術が優れていることは聞いていたが、収穫したばかりとも思える新鮮さが十分保たれている。しかも形の良い大きめの綺麗な黄色、イエロー(Yellow 黄色)とハロー(Hello) を合わせた「Yello」の名にぴったりではないか!
さて、ここトレンティーノ(トレンティーノ・アルトアディジェ特別自治州トレント県)はりんご栽培でも知られています。メリンダ(Melinda) 生産共同体は日当たりの良いノン渓谷、ソーレ渓谷において栽培されるりんごを扱っている県最大りんごメーカーなのです。やはり地元優先という理由で、南チロル産は今まであまり見かけなかったのかしら。(何しろ県境壁は厚いのだ、地元住民しかわからない厚さだけど)
トレンティーノ・アルトアディジェ地方の代表的なお菓子「ストゥルーデル」は「レネッタ」(また通称、「カナダ」)が最適と言われていて、県内では初秋の一番初めの収穫、ちょっと若くて(いわばサクサクな感じ)固めな感じのりんご種を使うのがちょっと通。(県内の話)
でも今回はこのシナノゴールドで「ストゥルーデル」を作ってみました。
結果、その違いを説明するのは難しいけれど、「りんごのストゥルーデル」というより、日本の「アップルパイ」に近い味になったような、りんごが良く焼けた、という印象です。(ジューシーだったせい?)
トレンティーノ・アルトアディジェ特別自治州はその歴史上、ドイツ・オーストリア文化の影響を受けており、食生活もしかり。実はハンガリー旅行の際は”元祖ストゥルーデル”のレストランにも行きました。時と場所を経て、若干味や作り方の変更もあったのでしょうが、今ではトレンティーノ・アルトアディジェ州の地方菓子として根着いております。
ともかくこの近郊の「ストゥルーデル」は、どのりんご種でも好ましい美味しさ。美味く焼けるのは多少経験が必要ですが、どの家庭にあるりんごと小麦粉の生地で作れる、とても近しい、いつの時代も愛されてきたお菓子、と解釈、納得しています。
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