2023年10月15日日曜日

ドロミティ・ブレンタ山群を望む

秋の好天の日曜日、友人夫婦とアンダロからのトレッキング(ハイキング)を楽しんだ。

トレントから北西に約37キロに位置するアンダロは標高1042メートル、黒々としたモミの林に取り囲まれている保養地として知られる。東にパガネッラ山(2125メートル)西にはドロミティ・ブレンタ山群が望め、夏季はトレッキングやマウンテンバイク、冬季はスキーなどパノラマを満喫しながらのアウトドアスポーツが楽しめる拠点地でもある。



アンダロからドスペラまたはパガネッラ山頂までのロープウェイが結び、夏季はトレッキング楽しむ家族連れだけでなく、マウンテンバイクを搭載し装備もばっちりの愛好家たちで賑わっている。ちなみにパガネッラ山頂までのロープウェイは北東へ6、5キロのファイ・デッラ・パガネッラからも出ている。

ドスペラから歩くと眼下には水力発電所が設けられている人工湖モルヴェーノ湖が望める。イタリア・ツーリングクラブのガイドブックにおいて、2023年の最も美しい湖(海)水浴場にも選出されたエメラルドグリーンの湖である。



湖岸の保養地モルヴェーノからは高原を結ぶプラダル行きのチェアリフトが出ていて、プラダルから自然を歩くと遊ぶがセットのアドベンチャーパーク「フォレスト・パーク FOREST PARK」に接続しているというのも家族連れには恰好な地である。

実は我が家の窓からもブレンタ山群のわずかだが一部は毎朝毎日望める。夏季にボンドーネ山で歩く時も、冬季フォルガリアの雪山を歩く時も険しく白く聳える姿が遠方に見える。実に馴染みのある山塊であるが、その都度、胸の躍る独特の岩石の景色なのである。

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2022年8月3日水曜日

暑中お見舞い申し上げます。




こちらも暑い日が続きますが、お元気でお過ごしですか。
くれぐれも健康に十分留意して乗り切りましょう〜ね。

2022年6月30日木曜日

Feste vigiliane  聖ヴィジリオ祭



6月26日はトレント守護聖人ヴィジリオの祝日であるが、前後約一週間にわたる聖人を祝う「Feste Vigiliane」(聖ヴィジリオ祭)は、トレントの暑い夏の始まりの”熱い祭”になっている。

初日はチェントロ・ストーリコ(歴史的中心地区)に伝統的衣装で着飾った老若男女の一段が練り歩り、いかにも開催を示唆する。中心地や城などに残されたフレスコ画にも見られる貴族たちの衣装にも実に忠実で、何百年も過去の人物の真似事にもかかわらず、現代でもすっかり見慣れて、親しい人々であるかのような錯覚にもおちいるのである。

初日の夜には、その年の著名人(政治家など)に対して罪を問い(ややコミカルに)刑罰を受ける(「トンカ」される)人物を決定する。今年は、サンタ・キアラ病院の移転に関して10年以上に渡り討論されながら未だに最終決定できない悪政治に対して、元トレント市長、県知事などが数人が罪を問われる。長期的な大きな課題(問題)で、未だになお病院移転の気配はない、というのは事実である。

前週の週末土曜日は年に一度の長い長い夜、中心地の商店街もバールもオープン、小広場は音楽やDJライブも夜中まで騒音が許される日なのである。

期間中は工芸品のマーケット、夕暮れの散歩途中にちょうどいい具合にバーやフードスタンドが空いている。公園も近頃流行りのフードトラックのストリートフードコートになり、暑い日中も広場はライブ会場になるから、若者たちも足を運ばない理由はない。

さて最大イベントのひとつ、アディジェ川の「Palio dell'Oca」( ガチョウレース)は相変わらず人気のひとつである。

トレント村落の有志たちによるハンドメイド筏レースである。北部ロンカフォルト地域から幾つかの課題をこなしながら、中心地にほど近いさんロレンツォ橋まで下降してくるのだが、その間河岸にいるガチョウに触る、中央のカゴにボールを投げいれる、河岸に上陸する、終着時に竿で鐘を鳴らすというような幾つかの課題がある。川の流れは意外にも早く、蛇行もあるので、川に落ちたり、なかなかボールがカゴにシュートできないなどと、ゴールインまで観客もハラハラ応援にも力がこもる。課題が成功すると加点され、勝利は速さと技術が問われる筏レースである。

レースと表彰式も終わると、サン・ロレンツォ橋のたもとでは「トンカ」が行われる。カゴに入った罪人がアディジェ川に落とされる刑罰を眺める、というわけである。

トンカの儀式はカゴに入れた罪人をアデジェ川に3回沈める14世紀から16世紀頃に行われていた刑罰で、当時は3回沈める間に溺れ死ぬことも多くあったという。アディジェ川は18世紀半ばに現在の位置に移動されたわけだが、かつて流れていた河岸に建つTorre Verde (緑の塔)から罪人を落としていた、というのだからちょっと残虐な過去も引き継いでいる。もちろん現在の祭のイベントでは溺れるほど沈めないちょっとしたコミカルなイベントになっているのであるが。

さて、26日当日は司教のミサ行進が町を練り歩く。

夕暮れから最大?イベント「La Mascherada dei Ciuji e dei Gobj」(チュージとゴビのマスケラーダ)トレント人とフェルトレ人のポレンタを巡る奪い合う?伝統行事がある。5世紀頃の実際にあったエピソードの再現が始まりで、20世紀になり再度伝統行事として見直されたもの。ポレンタはトレント地方の主食であり地方食文化の象徴なのであるが、フェルトレ人のトレント侵攻を守る様子を、食の奪い合いに例えたパフォーマンスである。

現在は、それぞれ当時の地方色を表す二色の簡易服を装いマスケラを付けたフェルトレ人(チュージ)とトレント人(ゴジ)が、ポレンタが出来上がるまでの間に鍋を奪い合う。中心で女性が煮込み専用の銅製鍋(パイオロ)でお湯を沸かし、とうもろこしの粉を入れて煉り回しながらポレンタを作る時間は約40分間。トレント人はポレンタを守り、フェルトレ人はそれを奪おうと戦うもの。

今年は姉妹都市からベルリン市長とプラハ副市長も招待。前座にフィレンツェから共和国団がスバンドとともに行進、ウフィツィの旗手団がパフォーマンスも披露するなど日暮れ後、21時頃始まるマスケラーダを待つ間も退屈することなく楽しませてくれたのは言うまでもない。結果はトレント人(ゴジ)が勝利をおさめる。大歓声!

祭の締めくくりはアデシジェ河岸に花火が上がる。恒例行事なのだが、2年間コロナ禍でほとんどすべての野外イベントも中止、今年はようやく”再出発”という気持ちになってきているのだ、きっと。見慣れた花火も、より華やかに盛大に行われた感がする。マスクもはずして、人混みにまみれて、夜空を大勢で皆で見上げたヴィジリオ祭の閉めくくりだった。



2022年3月29日火曜日

トレント人口世帯数についての統計調査  #TrentoInCifre:

2021年12月31日時点でのトレント住民登録者人口は118,720人(男性 57,375人、女性61,345人)になり、前年と比べると341人減になる。




平均年齢は45,1歳で0歳から14歳100人に対して、65歳以上が179人であり、80歳以上が7,7%になる。男性3人に対して女性29人の割合である


54,550世帯、前年比90世帯増となった。世帯数は平均2,1人であるのは2020年と同様。一人世帯が増えており、41,2%が一人世帯である。一人暮らしの女性が多く、男性は家族の世帯主であることが多い。高齢女性の一人暮らしでは未亡人、男性の場合は結婚前の青年であることが見られる。


外国人居住者は13,831人であり、2020年比で312人減、11,7%減となる。外国人居住者の平均年齢は34,6歳である。外国人居住者のうち最も多い国籍はルーマニア人2,199人、パキスタン人1,388人、アルバニア人1,121人である。男女比に関しては、男性についてはこの順であり、外国人女性についてはルーマニア人の次にウクライナ人になる。


2021年のイタリア国籍取得者は774人になり、2020年比で247人増、トレント市50,4%がトレントで取得している。


269件の婚姻届けがあり、2020年比で73件の増となり、10件のうち8件が民事婚である。

 

(トレント市役所調査より)


2022年3月16日水曜日

エコノミー・フェスティヴァル Festival dell'Economia  6月2 日〜5日

 町中に「エコノミー・フェスティヴァル」の垂れ幕を見かけるようになった。”懐かしき”恒例オレンジ色のバックにナッツを食べている黒リスの姿が、パンデミアからの再出発を示唆しているようだ。


2006年から始まった「Festival dell'Economia」は例年5月末から6月初旬にかけて行われ、国内外の様々な分野の著名人を招待、政治・経済・工業と地域の発展についての講義やディスカッションを公開、現在ではトレントの重要なイベントのひとつとなっている。

2022年から2024年までトレント県と24 oreグループが共催することを保証している。第17回目の今年は「Dopo Pandemia tra Ordine e Disordine」をテーマに掲げている。(パンデミア後の秩序と混乱とでも?)パンデミアの影響からの調和、仕事のオーガナイズの再考、新エネルギー課題を通じて未来の展望を描いていくという。

24ore グループといえば、経済新聞、ラジオをはじめとする全国メデイアであり、トレントから「経済と発展」についてを発信するというのだから、ちょっとワクワクする数日(6月2日から5日)になることは間違いない。


#トレントエコノミーフェスティヴァル 


2022年3月1日火曜日

マルティーノ・マルティーニ

2月初旬、親中日の元同僚が中国の正月を祝うイベントに招待してくれました。

まだCOVID19に関して様々な規制があり、シアターは、グリーンパスの提示、医療用のマスク(Ffp2)着用、要予約である。コントロールに多少の不慣れはありながらも次第に老若男女で埋まり、始まる頃にはほぼ満席になる。多くの人が、”カルチャラルが理由での外出”を待ち望んでいたのだろうと思う。

演目は、中国人による詩の朗読と交互にイタリア語の翻訳朗読し、踊りとカリグラフィーを織り交ぜた小劇。元同僚はカリグラフィーの他に、太極拳の実演、ダンスは彼の娘が振り付けも担当したもの。中国詩は特に郷愁を誘った演目で、おそらく朗読者が巧だったのかも、中国語のリズムが音楽的で非常に魅力的だった。




東洋の祝正月気分を共有、中国文化の(ほんの一部にすぎなくとも)紹介という意味でうまく伝わっていたと思う。元同僚の相変わらずの興味の広さにも関心した。


今回のイベントの主催は「Centro Studi Martinomartini」という文化交流団体で、1997年にトレント大学の有志がヨーロッパと中国との文化の架け橋を継続する目的で発足、中国文化、言語の研究とともに文化交流に貢献している。


かの「マルティーノ・マルティーニ」とは、17世紀のイエスズ会修道士で、中国で布教活動したのちにヨーロッパに戻り中国地図(中国新地図帳)を作成するなど、当時でも非常に貴重な中国に関する多くの新情報をもたらしたトレント出身の人なのだそうだ。



中国に戻り病で逝去、2014年には生誕400年の記念切手がイタリアと中国で発行されている。


イベントは当然ながらイタリア人の観客が占めていたが、日本人の私自身にとっても近くて遠い二つの国の長い歴史の一角を知ることとなり、より興味深く楽しめた一夜だった。

2022年2月21日月曜日

2022年 滞在許可証更新事情 #トレンティーノ #トレント

今更、ではありますが。


外国人が海外に滞在中の場合、「旅券」はインターナショナルな「身分証明書」であり、(原則的には)携帯が義務付けられている。


更に外国人(移民)がイタリアに滞在するにあたっては、警察署から発行される「滞在許可証」が必要になり、長短に関わらず先日イタリアに到着した外国人同様に、在伊中は(原則的には)携帯が義務であり、記載内容に変更が生じた場合(旅券番号や住所など)には、更新して所持していなければならない。


さて近年難民の到着も含めて外国人の増加が著しく、トレンティーノ(トレント県)においても同様、滞在許可を管理している警察署窓口の混雑ぶりには辟易してしまうほどであるが、”外国人”である限り滞在に必要な義務手続きである。


県内には外国人のイタリア滞在における Cinformi (Centro informativo per l’imigrazione) というサポート窓口があり、滞在許可証に関する情報や書類確認、警察署への予約仲介なども請け負っている。滞在許可だけでなく、仕事や家探しのサポートなども行っており、かつては小さなオフィス内もさらに周囲も超混雑していたオフィスである。


しかしCOVID19禍で、受付も予約制で制限時間20分というシステムに変わったとのこと。”完全予約制”にややほっとしながら、滞在許可証記載事項の変更のため、今年一月久しぶりに出頭したというわけである。


さてCinformi では、ホームページにも掲載されている必要書類を説明され、さらに(おそらく)更新内容による追加書類の案内を受ける。予め準備してあった書類の確認が終わり、警察署の窓口への予約をする。出頭の理由が記載された予約の「手紙」と、手続き料の振込用紙を渡される。「予約済」で待つ必要がない、とのこと。


警察署に約一週間後、当日はやや早めに到着する。案の定入り口の外は相変わらず行列があり、入場不可(らしかった)。いかつい警察官が数名入り口に立っていて、一様に外で並ぶように指示している。従って並ぶしか入場の方法がなさそうだった。それでも忍耐強く行列の後方に並び、予約時間も過ぎたころ、更にもう一度入場を交渉、今度はあっさり中に入れてもらえたのだった。早めに行くのでなく”時間通りに行く”べきだったのかもしれない。


待合室には、インフォメーションカウンターはなく(10年以上前からないのである、なぜか?)どういう順番で処理されているかさっぱりわからない。以前は強引に窓口に聞きに行くことで受け付けてくれるとか、運が左右されているとしか思えない対応だったが、やはり相変わらずそんな風だ。


それで入り口に一番近い窓口の女性に予約証明書を提示すると、呼ばれるまで待つようにとこと。予約した時間はとうに経過、窓口の半分のオペレーターしか働いていなかったためか大幅に遅れている様子。


一方、外で待っていた行列の外国人はどうやら予約なしの一行だったようである。というより、Cinformiを仲介し書類を予め準備していくか、あるいは警察署のイミグレーション窓口に直接出向する、その場合は列に並ぶ、ということだったかも。ただそこにいた外国人一行は、外で待つのが当たり前のように列について待っていた。この列は何?と聞いても誰もわからない、というお粗末な返答だった。


結局予約なしで並んでいた何人もが先に呼ばれて、人がまばらになった頃ようやく私の番になり、窓口では予め指示された書類を再確認して、受け取り用の半券を渡される。別室で両手の指紋を取られて更新申請は終了である。


約2時間後のこと、つまりCinformi で渡された番号の入った手紙を持っていても、かなり待つこと覚悟して出かけたほうがいいらしい。いろいろな事情で遅れることもおおいにあるわけだ。(ちなみにCinformiで指定された書類のほかにも、必要書類があり翌日に再度出頭することになる)


受領については、警察署のホームページに半券に記載された番号で検索すると、許可証が準備できているかどうかがわかるシステムになっているそうだ。どうやら申請後2ヶ月ほどかかるらしいとのこと(噂)。


昨年から移民法が変更になり、かつての「期限なし」許可証が廃止、一律に期限付きのカード型、最長で10年の期限付きになったそうである。また、滞在の目的によって申請・更新の必要書類が若干異なるので要注意である。


<必要書類>  2022年1月現在 

* 印紙 16ユーロ
* 申請料 30、46ユーロ 振込明細書 
* 証明書用写真 4枚
* 残存3ヶ月以上のパスポートと入国印、記載事項のある全ページのコピー
* 有効な滞在許可証とコピー

 

婚姻が目的での更新申請の場合に追加される書類
* 配偶者(夫)のIDカードのコピー
* 配偶者(夫)が妻との同居証明書
* 配偶者(夫)の一昨年の確定申告書及び、前年度12ヶ月分の給料明細書のコピー(注)一月申請時では前年度の確定申告書がまだ作成されていないため。

    本人の住所と家族構成の自己申告書  


トレント市内のイミグレーション情報センター:

Cinformi (Centro informativo per l'imigrazione) - via Lunelli 4, Trento 

tel. 0461 491888 / 携帯からは 0461 8999 

mail. info@cinformi.it  / cinformi@pec.provincia.tn.it 

HP. www.cinformi.it

トレント警察署:

Questura di Trento - viale Verona 187, Trento 

tel. 0461 899511 fax. 0461 899777 

mai. urp.quet.tn@pecps.poliziadistat.it


旅券が新しくなるたかだか10年に一度必要な書類手続きであっても、警察署窓口への出頭は待ち時間やら、混雑ぶりやらで憂鬱になることの一つである。