2021年9月20日月曜日

引き続き、近頃のMART

 引き続き、近頃のコンテンポラリー・アート分野。

9月19日までMARTの別館パラッツォ・デッレ・アルベレ(Palazzo delle Albere )にてスティーヴ・マッカリー展が開催されていました。

ナショナル・ジェオグラフィックの報道写真家として活躍、特に深い瞳で見据えるアフガンの少女の写真は数々の賞を獲得していることでも著名です。

今回の写真展用の写真も心惹かれました。探したものであっとしても(恐らく)作られたものでない”文化ドキュメント”ではないでしょうか。(でも、どことなく見たことがありそうな顔立ち、と思うのは同じ東洋人だから?)



アフガニスタンで撮影された写真は、地方の美しい風景と、対象的に紛争や軍人たちの写真が何枚かありました。ちょうどカブールがタリバンにより陥落されたニュースで世界中がどよめいている時期と重なり、「アフガニスタン」や「タリバン」のイメージを改めて描き直した機会でもありました。



事前全予約制で、グリーンパス提示が義務つけられたばかりの時期でしたが、入場前にわずかな行列があった程度で、大きな混乱なし。

アジア、アフガニスタン、ブラジルで撮影されたポートレート、風景写真など130点の写真と興味深いショート・インタビュー・ビデオを4本、1時間の制限時間内ギリギリでしたが、なかなか濃い時間を過ごすことができました。


気に入った写真の一枚の一部

今回の展示のなかでは珍しい、ヨーロッパの風景写真、アジアと異なる光や色彩、澄んだ空気や平和も感ずる。



きっと現在ならドローンで簡単にできる遠隔や上空からのアングルも、当時は時間も手段も限られた、危険を伴いながらの撮影のことを想像すると、写真は「絵」だけでなく、写真家の感情も芸術のひとつだと思ってしまう。

夏の合間行った価値ある写真展でした。


2021年9月17日金曜日

新学期 in Trentino

グリーンパスが(ほぼ)義務つけられる、というニュースが流れるや否や、反ワクチン接種派との熱い衝突が今なお続いているが、9月6日新学期は100パーセント対面授業を前提に始まったのだ。

人出も戻ってきた中心地

一般人の私などにすれば、それより公共交通機関(バス・電車など)の混み具合のほうが心配で、特に近所の二学部ある大学生と住人の中高生との登校時間帯をできるだけ避けるってことかな。まあ、通勤に関しては自家用車利用が多い地域だから、登校時間を除けば日中のバスは大抵ガラガラなのが現状、今までと同様80パーセント乗車率を許可している。75人とか80人収容とかって書いてあるけど(多くない?)

ところが、最近相当な”遅れ”が発生していることが問題になっているらしいのだ。

蛇腹で繋がったながーい二両編成バスの運行が原因のひとつなんじゃないですか〜??今までも大学生対象の時間帯に特別周遊で運行していた二車両バス、新学期からは多くの時間帯に導入されたというわけで、カーブの坂道の多い丘陵地区は速度を落とさなければ、すれ違いもだが曲がれない、当然渋滞が発生するでしょうと想像できてしまうけど。

この坂道カーブ、通常は大型バスドライバーも普通のスピードで走る。つまりバスの通行で渋滞にならないってことです。でもすれ違いで急ブレーキの時もあり、実はかなり揺れてスピード感あふれる行程(少なくとも個人的にそう思っている。)なのだ。

さて、二車両バスは前方の張り紙で80パーセント乗車率で「マックス125人」とのこと、そんなに乗って重たくならないのかしら、と思ったりして。それにしても125人乗車としたら、やはり「密」じゃない?とも。

先日の二車両バスは新人らしきドライバーだったらしく、横で先輩のハンドルさばきのアドバイスを受けながらゆっくり下ってきた。多少遅れてもいいから慎重に行け、とも言ってたなぁ。

マックスで100人以上乗せて運ぶドライバーさんも責任重大〜ですね。いやはや、本当にご苦労さまです。

とりあえず新学期の移動は二車両バス運行でやってみよう、ということね。様々な部分で、微調整しながら始めようという意気込みがあって、今のイタリアは好ましいと思っていますけどね。ちなみに、バス会社から、市内接続にバスの利用を薦めている、とのことでした。これで乗車率が減ることは確か、渋滞も避けられるかも。

 

2021年9月15日水曜日

近頃のMART

コロナ禍で昨年からアートからも少しご無沙汰していましたが、今年は興味深い特別展が重なっていたこともあり、是非とも再訪したかったMART トレント・ロヴェレート近代美術館(MUSEO DI ARTE MODERNA E CONTEMPORANEA DI TRENTO E ROVERETO)です。

美術館再オープンした夏の合間に行ってきました。 


ガラスのクーポラから光が差し込む入り口広場には、ドナテッロのダビデ像にインスパイアされたというコンテンポラリー彫像。

8月末まで、ラファエッロ〜ピカソからデキリコ展が開催されていました。

ウフィツィ美術館から自画像を始め数点のラファエッロの作品も。(ちょっと画期的!だと思う)

実際には、ピカソとデキリコの自画像から始まり、近代芸術家がいかにルネッサンス時代に影響を受けていたかを対象するもの。


ピカソもデキリコも思いがけず数多く鑑賞できたので、得した気分になりましたとも。


デキリコもピカソもMART所有があるのですが、視点を変えて、また新たに幾つか観られた好機会でした。コンテンポラリー・アートは時々恋しくなる分野、新鮮です。



何度か書いたかもしれませんが、スイスの建築家マリオ・ボッタが手がけた建築も外観、内部ともに見所。

ちなみにトレンティーノ出身の芸術家作品も常設しています。



アンドレア・マルファッティはトレント中心地には幾つかの作品を残している19世紀の彫刻家、近い過去の身近な芸術家のひとり。



さて、今しばらく開催中のボティッチェリ展は、好みが別れるかも。プリマヴェーラの現代版は今ひとつ共感できないけれど、ボティッチェリ本人の作品は観る価値ありです。

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