2022年3月1日火曜日

マルティーノ・マルティーニ

2月初旬、親中日の元同僚が中国の正月を祝うイベントに招待してくれました。

まだCOVID19に関して様々な規制があり、シアターは、グリーンパスの提示、医療用のマスク(Ffp2)着用、要予約である。コントロールに多少の不慣れはありながらも次第に老若男女で埋まり、始まる頃にはほぼ満席になる。多くの人が、”カルチャラルが理由での外出”を待ち望んでいたのだろうと思う。

演目は、中国人による詩の朗読と交互にイタリア語の翻訳朗読し、踊りとカリグラフィーを織り交ぜた小劇。元同僚はカリグラフィーの他に、太極拳の実演、ダンスは彼の娘が振り付けも担当したもの。中国詩は特に郷愁を誘った演目で、おそらく朗読者が巧だったのかも、中国語のリズムが音楽的で非常に魅力的だった。




東洋の祝正月気分を共有、中国文化の(ほんの一部にすぎなくとも)紹介という意味でうまく伝わっていたと思う。元同僚の相変わらずの興味の広さにも関心した。


今回のイベントの主催は「Centro Studi Martinomartini」という文化交流団体で、1997年にトレント大学の有志がヨーロッパと中国との文化の架け橋を継続する目的で発足、中国文化、言語の研究とともに文化交流に貢献している。


かの「マルティーノ・マルティーニ」とは、17世紀のイエスズ会修道士で、中国で布教活動したのちにヨーロッパに戻り中国地図(中国新地図帳)を作成するなど、当時でも非常に貴重な中国に関する多くの新情報をもたらしたトレント出身の人なのだそうだ。



中国に戻り病で逝去、2014年には生誕400年の記念切手がイタリアと中国で発行されている。


イベントは当然ながらイタリア人の観客が占めていたが、日本人の私自身にとっても近くて遠い二つの国の長い歴史の一角を知ることとなり、より興味深く楽しめた一夜だった。

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